瀬川原平著『優柔不断術』(毎日新聞社)読了。
(ずいぶんまえに出た本ではある)
著者の文体でおもしろいのは、
目のまえの、普通なら素通りしそうな、
何気ない出来事や現象を的確、
かつ想像豊かに描写する表現力だとおもう。
壮大なストーリーではないが、壮大なストーリー以上に感動する瞬間がある。
しかも、ときにはその何気ない出来事が、
知らぬ間に壮大なストーリーにまで発展していることもしばしば。
まあ、ちょっとマジメくさい書き方かな?
そういえば、赤瀬川原平さんといえば、
ひとむかしまえに『老人力』というのが社会現象にまで発展した。
でも、あれは、一理はあくまで一理としながらも、
やはり論理くさかったり、こじつけっぽかったりだったような。
で、この『優柔不断術』の前編、
(「とりあえずビールニ本くらい」と言ってしまう)
日本人の優柔不断さの論考も、やはりいささか理屈くさい。
ところが、後編の著者自身の過去、青年期に悩んだ夜尿症、
偽千円札裁判からトマソンまでを、
優柔不断をキーワードに回想するあたりは、がぜんおもしろい。
読んでいて、単純にいくつかの事柄がぼく自身とだぶってしまうことに気づく。
二十歳で十二指腸潰瘍で手術をしたというのは、
ぼくもまったく一緒。これは健康面より精神面の影響がおおきい
。きっと溜め込んでしまう性格なのだろう。
それとも関係しているが、心と身体のバランスをうまく保てず、
夜尿症という症状として現れる。
ぼくは夜尿症ではないが、べつのかたちで身体の外へ現れる。
それがなんなのかは省略するが、いまだに克服できずにいて、
悩まされているというか、付きあっている。
それ以外にもいくつかあるが、まあ、ながくなってしまうので……。
さて、これから京都。単独で。
目的は遊び半分、仕事半分。
仕事というより営業活動と言ったほうが正確か。
まだ、なんとも言えないが、これが決まるかで、
今後の方針がおおきく変わるワケだが、ちょっと、
時間がきてしまったので具体的なことは、またの機会に……。
でわ。